++ 完全地デジ化 巨額の利権? 1社独占、天下り法人と連携 著作権保護B-CASカード++


 2016.9.11 2012.3.3 2009.6.8初版

完全地デジ化 巨額の利権? 1社独占、天下り法人と連携

    著作権保護が目的? B-CASカード これに群がる天下り法人たち

B−CAS ピーエス・コンディシヨナルアクセスシステムズ」社(東京都渋谷区)
これは民間会社であり、筆頭株主はNHK(18・4%)、社長は二代続けて元NHK。
ほかにWOWOWや家電メーカー、民放系衛星放送局などが出資している。
二〇〇〇年の設立当初は、WOWOWやNHKのBSデジタル向けにカードを発行していた。
料金を弘った場合にだけ映るよう、各放送局のスクランブル解除業務を一括して引き受け、細々とやっていた。 <-- ココ、ポイント
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そこで悪知恵に長けたモノがいた。
そのカードを「すべてのテレビ・チューナなどに突っ込むアイデアはどうだ。
膨大な枚数になり、美味しい話になるぞっ!」と、ゆったかどうか・・・。
が、実際にそうなった。
なぜ、そのように想像してみたかといえば、
純粋に著作権保護が目的だというなら、技術的にもっと安価に実現できる方法がいくつもあるからだ。
案の定、連中は、違う目的で存在していたカードを、強引に捩じ込んできた。
このような背景、技術的事実があることから、
B-CAS社およびその関連に利権を投げ込むのが目的だったことを誰が否定できようか。
結局、
地デジ(著作権保護の名のもとに)にカードが使われるようになった。
〇四年四月から。 (あの小泉竹中政権が仕掛けた)

地デジ放送局からのカード代をまとめてB−CAS社に支払うのが、社団法人「デジタル放送推進協会(Dpa)」。
常勤理事は総務省OBで、家電メーカーが役員を送り込んでいる。
カード発行条件となる録画抑制の規格は放送局や電機メーカーでつくる社団法人「電波産業会(ARIB)」が定める。こちらの常勤理事も元官僚たち。

中日新聞2009年6月5日
完全地デジ化 巨額の利権? 著作権保護B−CASカード

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※ パンフレットの一例
社団法人「デジタル放送推進協会(Dpa)」
完全地デジ化 巨額の利権?
著作権保護B−CASカード
1社独占、天下り法人と連携

お手持ちのテレビが地上デジタル放送(地デジ)対応なら側面などのふたを開けると、一枚のカードが見つかるはず。BICASカードだ。このカード、著作権保護が名目になっているが、あれこれ不透明さに包まれている。民間一社が発行を独占し、地デジを推進する総務省の天下り法人がシステムを支える。二〇一一年七月の地デジ完全移行で、いや応なく押し付けられるカード。利権のにおいもつきまとう。 (大野孝志)

B−CASカードはテレビや録画機、カーナビなどワンセグ以外の地デジ受信機能を持つ一台に一枚ずつ、梱包されている。設置の際、電気屋さんがカードを差し込んだ家庭も多いだろう。「CAS」とは限定受信システムの意味で、このカードを差し込まないと地デジは映らない。
目的は著作権保護だという。〇三年十二月に始まった地デジは繰り返し録画しても画質が落ちない。放送事業者(放送局)は著作権を守るため、各局は「十回までコピー可能(ダビング10)」などと定めるコピー制御信号と、制御を守らせる妨害信号(スクランブル)を地デジ波に乗せている。
このカードは制御システムを順守するメーカーにだけ発行され、妨害信号を外す役割を担う。
さて、このカードを発行、管理しているのが「ピーエス・コンディシヨナルアクセスシステムズ」社(B−CAS社・東京都渋谷区)だ。民間会社だが、筆頭株主はNHK(18・4%)で社長は二代続けて元NHK。
ほかにWOWOWや家電メーカー、民放系衛星放送局などが出資している。
二〇〇〇年の設立当初は、WOWOWやNHKのBSデジタル向けにカードを発行していた。料金を弘った場合にだけ映るよう、各放送局のスクランブル解除業務を一括して引き受けていた。地デジの著作権保護に使われるようになったのは〇四年四月からだ。

ここで疑問なのは、まず、この会社の独占性だ。すべての地デジ対応テレビに必要という公益性の高い漉丁ドなのに、発行しているのは一民間会社という奇妙さ。
同社の財務内容は昨夏まで公告されておらず、会社法違反との指摘もあった。公共放送NHKから、役員が天下りしている点も気になる。
さらにカードの発行や運営には総務省系の公益法人が二人三脚で績む。
カード発行条件となる録画抑制の規格を定める法人や、各放送局がB−CAS社に支払うカード代をまとめる法人だ。
カードの台紙には「ユーザー登録はがき」が付いている。テレビを買った消費者が住所や名前などを記入して送ると、同社が委託した業者に個人情報が蓄積されるという。でも、その必要性には首をかしげたくなる。

早速、原宿・表参道近くのBICAS社を訪ねてみた。さぞや巨大なビルだろうと思ったら、大通りから一本入った賃貸ビルの六階。会社規模は社員十三人、常勤役員四人という小ささだった。

機器価格に上乗せ
財務長く非公開

では、それぞれの疑問を検証してみよう。今年三月の参院総務委員会。
B−CAS社の独占状態についての質問があり、公正取引委員会は「発行が一社だけということ自体は問題ではないが、新規参入を阻害する行為があれば独占禁止法上の問題が生じる」と答弁した。
B−CASカードはテレビなどの購入者に無料貸与される仕組み。地デジ対応機が一台売れるたび、一枚五百円ほどのカード代が放送局からB−CAS社に。家電メーカーからも一枚百円の手数料が入る。読み取り装置代や手数料が機器の価格に上乗せされていることは言うまでもない。
同社の発行するカードの延べ枚数は四千四百万枚。売上高は地デジに使う前の〇三年度が二十億円程度。それが〇七年度には九十八億円にまで増えた。一時は七億円以上あった累積損益も、〇六年度に解消している。
長く非公開だった財務内容の公告について、同社は「昨夏の株主総会後に公告した。カードを有料放送にだけ使っていた当時、取引先は株主が多く、公表意識が高くなかった。今後は極力開示していきたい」とする。
この集金構造に絡むのが、地デジ化に伴う天下り公益法人群だ。 まず、地デジ放送局からのカード代をまとめてB−CAS社に支払うのが、社団法人「デジタル放送推進協会(Dpa)」。
常勤理事は総務省OBで、家電メーカーが役員を送り込んでいる。
カード発行条件となる録画抑制の規格は放送局や電機メーカーでつくる社団法人「電波産業会(ARIB)」が定める。こちらの常勤理事も元官僚たちだ。
つまり、積もれば巨額になる集金構造がB−CAS社と公益法人の間で築かれている。この構造を支える法的根拠について、総務省に尋ねると「放送局と家電メーカーとの話し合いで決定。法的根拠はない」という。
そして、ユーザー登録はがき。同社は「義務ではない」としているが、NHKのBSデジタルでは未登録のままだと画面に大きく、受信確認メッセージが映る。要は「受信料を払いなさい」ということ。これを地デジでもやろうというのか。NHK側は国会答弁で含みを残している。
こうした疑問の多いB−CASカードは必要なのか。驚くべきことにB−CAS社は「著作権保護が目的ならカードである必要はない」という。
さらに総務相の諮問機関「情報通信審議会」内の委員会ではこのカードと並行して、新たな著作権保護策を検討中だ。今夏までに結論を出すが、中間報告では、新たな保護策の発行管理機関は「非営利で透明性の高い法人であるべきだ」と指摘した。
元NHKディレクターの上武大大学院の池田信夫教授(情報産業論)は「別の法人を充てても、今のシステムならまた一つ天下り法人ができるだけ。無料放送の地デジを受信制限すること自体がおかしい。B−CASなしに受信できるようにすれば、従来機器との互換性も問題ない。膨大な個人情報管理を必要とするユーザー登録も不要のはずだ」と批判する。
結局、地デジを利用してB−CASカードの普及を狙ったのか、カードがあったから地デジで使ったのか。完全地上デジタル化を前に不可解な仕組みが出来上がっていた。

地デジPRキャラクター
「地デジ力」と鳩山邦夫総務相(右から3人目)。政府は普及に懸命だが、「利権」絡みの不透明さも指摘されている=4月27日、東京都内で

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